宮崎研究室で長年頑張ってくれた Sequent社のスーパーミニコン、 Symmetry 27の写真です。 廃棄処分を前に廊下に出されていた時に撮影した写真をのせておきます。
この日は曇りだったので、写真にはあまり陰影がありません。
(誰が見るんだこんなもん)
宮崎研ローカル情報:nobunaga です。隣にわずかに写っているのが hideyoshiだったと思います。
$Id: index.html,v 1.7 2000-03-15 21:22:47+09 kabe Exp $
上にのっかっているのは純正のコンソール(VT220互換の232C端末)。 Sequentのロゴがついていますが HP のOEM品です。
本体:
ディスク:
ディスクは全て8インチのフルサイズタイプです。一人では重くて持てません。 あ、当然ウィンチェスタ型(密閉式で円盤の交換できないタイプ)です。
ディスクをSCSIにすれば、上の図のテープドライブの下に全部納められるので、 左側の筐体だけで済みます。実際、Balance 8 というモデル (NS32032使用) では左側の筐体だけです。
一枚のCPUボードに、i80386-16MHzが二個載っています。写真を見るとわかりますが、
CPUボードは左右対称に出来ています。
パッケージは、ほぼ全て DIP と PGA です。
上にあるPGA群は Sequent のカスタムチップ、下に CPUとその周辺があります。
CPUボード全体図の左下の部分のアップ。
数値演算コプロセッサは標準の80387の他にWeitekのものがオプションで載せられます。
(実際Weitekのチップはソケットに刺さっている)
このボードには両方載っています。
387の下の部分にLEDがあり、CPUが走っている時に点灯します。 精神衛生上も非常によろしい装備です。 CPU8発を全開でブン回すと全部のランプが点滅して「おお働いてる働いてる」と 実感できます。
フラットケーブルで2枚を接続して、合計40MB。
これをすべてのCPUで共有します。
御覧のように全部 DIP パッケージのメモリが使用されています。
2枚は意外に近接して並べられているので、放熱は大丈夫だったんかいなと よけいな心配をしてしまう。
(誰が見るんじゃこんなもん)
デフォルトのパーティションテーブル。
由緒正しい BSD のパーティション構成となっています。
VTOC (Volume Table Of Contents) 対応の場合には割と簡単に
(でも面倒)パーティションの大きさを調整できましたが、
非VTOCではめんどくさいので大抵デフォルトの割当の組合せで使用していました。
2台目の aパーティション が余ると、大きさが中途半端なんで けっこう使い道に困るもんです。 (昔は8Mで / が収まってたんですね〜)
そんなに速くはなかったのですが、同時期(…)の SparcStation 1 とくらべ、 我慢できないほど遅いといったことは全然ありません。 単一プロセスではちょっと遅いといった程度ですが、 「密結合並列機」なので、並列makeがCPUの数の分だけ スピードアップします。これが結構効く。 今の GNU make のような -j オプションではなく、Makefileに
program: & a.o b.o c.oと書くと、依存関係を別のCPUに割り当てて並列にmakeしてくれます。 普通の単発機だと並列にしてもあまり速くはならんのですが (これは今時のマシンでも同じ)、S27ではCPUの数だけ速くなります。
直接&
を書き込むと他のOSと干渉するので、$(P)
としておいて、並列にしたい時に make P='&' とするのが普通です。
こういった並列化は、普通の使い方ではあまり恩恵がないのですが、 検索プロセスを分散できる データベースサーバーとしてはかなりの性能アップが望めます。 実際、パンフレットにはINGRESやInformixとの組合せで紹介されています。
よって、ただのXクライアント機として使っている分には 本来の性能を発揮しにくいのですが、発揮したとしても X端末の方が遅いので(当時; CIT-Xとか…単色でsave-underがない) わからなかったと思います。
上の機械はCPU x 8だったので、「ブン回せば128MHz相当」などと 言っていたのですが、現役を退く頃には単発のIntel機にあっさり 抜かれていました。