]> Replacing Battery of M48T59Y Sun NVRAM

▼M48T59Y NVRAM の電池を復活させる▼

[改造後のNVRAM]

Sun の NVRAM は、しばらく(5年くらい)ほっておくと 内部のリチウム電池が切れてまともに起動しなくなるので、 電池だけむりやり入れ替える改造が 様々な有志により実行されていますが、

sun4cやsun4mクラス機に使われている M48T02/M48T08 (TOPHATパッケージ)に関する 写真入り記事はあっても、 sun4uクラスの M48T59 (CAPHATパッケージ) に対してやったという記事は ないみたいなので、自分でやってみました。 (2004.06)

Keywords: M48T59Y, Sun NVRAM, 電池

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▼やること

▽掘る

48T08では1ピンと反対側(14,15ピン側)を掘ることになっているので、 たぶん48T59も同じだろうと削ってみたら、 確かにこっち側に電池が埋まってました。

削るときは彫刻刀が便利。 エポキシ樹脂は柔らかいので簡単に削れます。 LSI本体はセラミックだかで出来ているので削れません。 あんまごりごりやらないように。

作業の際には、チップにはICソケットを履かせておいて、 端子が曲がらないように保護しておくのが良いでしょう。

[平面写真] [斜め写真] [裏側写真] [正面写真]
(クリックで拡大。ここまで削るのにだいたい2時間くらいかかってます(笑)

実際には上のように電池が露出するまで削る必要は全然なくて、 下にあるリードフレーム接点にハンダづけができ、 古い電池のリード線が外せる程度まで 削ればいいと思われます。

(電池部分が完全にエポキシで固定されている分、やってみれば M48T02より簡単かもしれん)

▽外す

[電池リードを外した所]

電池から出ているリード金具はLSIのリードフレームに ハンダづけされているだけなので、 ハンダゴテ当てて外します。 めんどくさければニッパでぶち切ってもいいとは思いますが。


▽つける

[新しい電池をつけた]

新しい電池をリードにハンダづけします。 3.0Vのリチウム電池を使用すること。 14ピン側が−、15ピン側が+です。−側はVssである14ピンと導通しています。

電池に直接熱を加えてハンダづけするのは あまり感心しないので、 ボタン電池ホルダーを使いました。 作業中の短絡事故も防げます。 が電池だけのほうがコンパクトに まとまるので、この辺は好み?


ボタン電池ではなく単3電池+電池ボックスなんて事例もあるようですが、 標準電池(BR1225)でも 規格上は7年!、 最悪条件でディレーティングしても3年半 持つことに なっているので、 そんなデカい電池はいらないと思います。 今回使っている CR2032型でも10年は余裕で持ちそう…

▽戻す

[Ultra1取付写真]

電池を固定する際は、他の部品の邪魔にならないよう、 固定前に本体にあてがって確認しましょう。 写真の Ultra1 はビデオボードがNVRAMの上にかぶさるので、 電池は14-15ピン側に寄せて固定するべし。

▽動作チェック

以上をすべて忘れんぼうにならずにパスすれば NVRAM 復活成功。 おつかれさまでした。

▽おまけ

(reset nvram password)

起動してはみたものの、OpenBootモニタで何かしようとすると 管理者パスワードを聞かれて何もできない! という状態になってしまった場合は、

逆挿しして2秒通電」よりは安全だとは思います。

▽実績

(2011.09 update) 事情により、上記改造をしたNVRAM搭載のUltra 1を本当に6年間 死蔵する羽目になりましたが、6年後に起動してもNVRAMの中身は無事でした。 時計も30分遅れていたのみ。優秀。

▼参考文献


かべ@sra-tohoku.co.jp